前置き
前にも説明したけど、心臓を工場に例えると、洞結節が社長、心房が倉庫、心房細胞が秘書、房室結節が部長、心室が出荷場、心室細胞が社員という関係だったよね。この例えで、心房細動について説明するね。
新人:先輩、心房細動が分かりません…。教えてください…。
先輩:じゃあ今日は心房細動を工場を例えにして説明していくよ。
新人:お願いします!
先輩:まず秘書(心房細胞)は、社長(洞結節)からの指示を受けて、倉庫(心房)がスムーズに準備を進められるよう調整する役割をしているんだ。ところが、秘書がパニックを起こして混乱したらどうなると思う?
新人:秘書が混乱したら、社長の指示が倉庫に正しく伝わらなくなりますね。
先輩:その通り!指示がうまく伝わらないと、倉庫が準備を整える動き、つまりP波が消えちゃうんだ。そして秘書が混乱していると、自分のペースで勝手に指示を出してしまう。そうなると、部長(房室結節)を通じて出荷場(心室)に届くタイミングがバラバラになる。これがRR間隔の不正さに繋がるんだ。
新人:なるほど!秘書が混乱すると、倉庫が機能しなくなるだけでなく、工場全体のリズムが狂うんですね。
先輩:そのとおり。これが心房細動(AF)のときの特徴なんだよ。P波がないのは『秘書が社長の指示を上手く反映できてない』、RR間隔が不正なのは『部長や社員に届くタイミングがランダムになるため』って覚えるとわかりやすいよ。
まとめの表
比喩 | 正常な状態 | 異常な状態(心房細動) |
---|---|---|
心房細胞(秘書) | 社長(洞結節)の指示を正確に倉庫(心房)へ伝える | 混乱して指示をバラバラに伝える → 倉庫が不規則に動く |
P波 | 社長の指示が反映され、倉庫が準備を整える動きが見える | 秘書の混乱で準備が進まず、P波が消える |
RR間隔 | 出荷場(心室)に指示が規則正しく届き、リズムが一定 | 不規則なタイミングで指示が届く → RR間隔が不正 |