心筋梗塞と狭心症は一言でいうと、「心筋細胞(心臓の働き手)にエネルギーが不足し、心臓がうまく動けなくなる状態」です。狭心症は一時的なエネルギー不足、心筋梗塞は完全に供給が途絶えてしまう状態です。
心臓を工場にたとえると
- 心臓(工場):全身にエネルギー(血液)を送り出すために働いています。
- 洞結節(社長):工場全体を指揮してリズムよく動かします。
- 心房(倉庫):エネルギーを一時的に蓄えて次の工程に渡します。
- 房室結節(部長):エネルギーの流れを管理し、心室へタイミングよく送ります。
- 心室(出荷場):全身にエネルギーを送り出すメインの場です。
- 冠動脈(エネルギー供給路):工場が動くためのエネルギーを心筋細胞に届ける重要な道です。
先輩看護師と新人の会話
新人看護師:
「先輩、狭心症と心筋梗塞ってどう違うんですか?」
先輩看護師:
「心臓を工場だと考えると分かりやすいよ。冠動脈っていうエネルギー供給路があるんだけど、狭心症は一時的にその供給路が狭くなってエネルギーが足りなくなる状態。でも、エネルギーが戻ると工場はまた正常に動けるようになるんだ。」
新人看護師:
「じゃあ、心筋梗塞はもっと深刻なんですか?」
先輩看護師:
「そう。心筋梗塞は、エネルギー供給路が完全に詰まっちゃって、エネルギーが全く届かなくなる状態。その結果、心筋細胞(社員)が動けなくなって死んでしまうんだ。この死んだ細胞は元には戻らないから、早期治療が本当に重要だよ。」
新人看護師:
「エネルギー供給が止まったら、工場が止まってしまうってことなんですね…」
先輩看護師:
「その通り。だから胸痛を訴える患者さんには、心筋梗塞を疑って迅速に対応する必要があるんだよ。」
(元気なとき、狭心症、心筋梗塞の状態を比較するイラストを挿入)
先輩看護師:
「心筋梗塞では、12誘導心電図の波形が特徴的な異常を示すことがあるよ。例えばこんな感じ。」
(ここに波形の画像を挿入)
新人看護師:
「これで、どの冠動脈が詰まっているかとか、どの部分の細胞が壊れているかが分かるんですね。」
⑤ 表で狭心症と心筋梗塞を比較
状態 | エネルギー供給 | 心筋細胞の働き | 症状の回復 | 治療のポイント |
---|---|---|---|---|
狭心症 | 一時的に不足 | 疲れるが回復可能 | 休息や薬で回復 | 冠動脈を拡張してエネルギー供給を回復 |
心筋梗塞 | 供給が完全停止 | 壊死し再生不可 | 回復しない | 早期治療で被害を最小限に |