先輩看護師:「今日は12誘導心電図の誘導の意味について説明していくね!この検査は心臓をいろんな方向から観察するために、全部で12個の波形を記録するんだ。」

新人看護師:「12方向ってどうやって分けるんですか?」

先輩看護師:「いい質問!まずは3つのグループに分けて覚えよう。肢誘導、拡大誘導(aV誘導)、胸部誘導だね。それぞれ順番に説明するよ。」


① 肢誘導(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ誘導)

先輩看護師:「Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ誘導は、体に貼った電極がつくる方向に基づいて心臓を観察しているよ。」

  • Ⅰ誘導:体の右腕と左腕の間で横(左方向)を見ています。
  • Ⅱ誘導:体の右腕と左足の間で斜め下方向を見ています。
  • Ⅲ誘導:体の左腕と左足の間で下方向を見ています。

新人看護師:「腕と足の間の方向で心臓の波形を取るんですね!」


【イラスト挿入】

  • Ⅰが左、Ⅱが斜め下、Ⅲが下を示す矢印付きのシンプルな図。

② 拡大誘導(aVR、aVL、aVF)

先輩看護師:「次はaVR、aVL、aVFだよ。これも方向を覚えるだけで簡単!」

  • aVR:右腕の電極を基準に、心臓から見て右斜め上を見ています。
  • aVL:左腕の電極を基準に、心臓から見て左斜め上を見ています。
  • aVF:左足の電極を基準に、心臓から見て下方向を見ています。

新人看護師:「aVRとaVLが斜め上、aVFが下を見るんですね!」


【イラスト挿入】

  • aVRが右斜め上、aVLが左斜め上、aVFが下方向を示す矢印付きの図。

③ 胸部誘導(V1〜V6誘導)

先輩看護師:「最後に胸部誘導。これは貼った位置そのままの方向を見ているんだ。」

  • V1〜V4:心臓の前面を見ています。
  • V5・V6:心臓の左側面を見ています。

新人看護師:「貼った位置そのままなら、覚えやすいですね!」

先輩看護師:「そうだね!V1から順番に心臓の前から左側へと視線が移動しているイメージを持つといいよ。」


【イラスト挿入】

  • V1〜V4が心臓の前面、V5・V6が左側面を見ていることを示す図。

先輩看護師:「このように、12誘導心電図は体に貼った電極を基準にして、心臓をいろんな方向から観察することで異常を見つける仕組みなんだ。次回は12誘導心電図で分かる3つのことについて解説するね!」

新人看護師:「12誘導心電図で分かる3つのこと…それは気になります!今日教えてもらったことをまずしっかり覚えます!」


まとめ表(12誘導の方向と見ている位置)

誘導名見ている方向説明
横(左方向)右腕 → 左腕
斜め下方向右腕 → 左足
下方向左腕 → 左足
aVR右斜め上心臓から右斜め上を観察
aVL左斜め上心臓から左斜め上を観察
aVF下方向心臓から真下を観察
V1〜V4前面心臓の前側を見る
V5・V6左側面心臓の左側を見る

次回予告

次回の記事では、「12誘導心電図で分かる3つのこと」について解説します!12誘導心電図をとることで、何が分かるのかを説明しますので、お楽しみに!

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管理人どんどん

はじめまして、管理人のどんどんと言います。 看護師11年目の循環器ナースです。 心電図がわからない新人、中途採用、病棟異動できた看護師さんに心電図を指導していますが、病棟勤務のため対面では十分に教える時間が取れないことから、ブログという形で心電図の見方を伝えられたらと思い始めようと思いました。ブログは初めてなので、少しずつ改善していこうと思います。長い目で見て頂ければ、徐々に良くなっていくと思うのでよろしくお願いします。

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