新人看護師:
「先輩、側壁グループ(V5、V6、I、aVL)の基本は分かりました!でも、ST変化が出るとき、それがどんな異常を意味しているのか教えてください。」
先輩看護師:
「いい質問だね!今日は、側壁グループで見られるST変化と異常について詳しく説明するよ。特に、V5、V6はI、aVLよりもST変化が現れやすいから、波形を見るときに注目するポイントを解説するね。」
① ST上昇:側壁梗塞の場合
先輩:
「まず、心筋梗塞が側壁で起きた場合、ST上昇がV5、V6、I、aVLに現れることがある。でも、特にV5とV6は胸の左側を直接観察しているから、ST上昇が最も顕著に出やすいんだ。」
新人:
「V5とV6が一番変化を捉えやすいんですね!」
先輩:
「そう。例えば、これが側壁梗塞のST上昇の波形だよ。」
(イラスト案:ST上昇の波形図:正常波形と比較して、ST部分が基準線より上に盛り上がった波形を示す。)
新人:
「確かに、波形が基準線より明らかに上に持ち上がっていますね!IやaVLでも見られるんですか?」
先輩:
「IとaVLでもST上昇が出ることがあるけど、V5とV6ほど顕著ではない場合が多いよ。側壁梗塞では、V5、V6を特に注視することが重要だね。」
② ST下降:側壁虚血(狭心症)の場合
先輩:
「次に、狭心症のように血流が一時的に不足している場合は、ST下降が側壁グループで見られることがあるよ。」
新人:
「ST下降もV5、V6で最も目立つんですか?」
先輩:
「その通り。虚血によるST下降も、V5とV6で最も顕著に現れることが多いんだ。IやaVLでも変化が出ることはあるけど、やっぱりV5、V6の波形が一番変化を捉えやすいね。」
新人:
「じゃあ、側壁のST変化を見るときは、まずV5とV6を確認すればいいんですね!」
先輩:
「その通り。例えば、これがST下降の波形だよ。」
(イラスト案:ST下降の波形図:正常波形と比較して、ST部分が基準線より下に沈んでいる波形を示す。)
新人:
「基準線より下に沈んでいるのがはっきり分かりますね!これなら見逃しにくそうです。」
先輩:
「ただし、狭心症の場合は胸痛があるときにしかST下降が現れないことが多いから、症状が出たらすぐに12誘導心電図を取ることが大事だよ。」
③ ST変化を見るポイント
先輩:
「側壁グループでST変化を見るときは、V5とV6をまず確認し、その後にIとaVLも確認する流れが大事だね。V5とV6で変化が大きく見られる場合、側壁の異常を疑いやすいよ。」
新人:
「まずV5とV6、それからIとaVLですね。覚えておきます!」
まとめ:側壁グループでのST変化
異常波形 | 誘導 | 疾患 | 波形の特徴 |
---|---|---|---|
ST上昇 | V5、V6(最も顕著)、I、aVL | 側壁梗塞 | QRS波後の波形が基準線より上に盛り上がる(山型の形) |
ST下降 | V5、V6(最も顕著)、I、aVL | 側壁の虚血(狭心症) | QRS波後の波形が基準線より下に沈む(谷型の形) |
次回予告
新人:
「側壁グループについてよく分かりました!特にV5とV6を見るのが大事なんですね。次は下壁についても教えてください!」
先輩:
「その通り!次回は、下壁グループ(II、III、aVF)について詳しく説明するよ。心臓の下側を見る誘導と波形の特徴を学んでいこう!」
新人:
「楽しみです!よろしくお願いします。」