先輩看護師:
「一言でいうと、V5、V6、I、aVLは心臓の左側(側壁)を見ている誘導だよ。」
新人看護師:
「左側を見る誘導なんですね!それぞれがどの方向を見ているのか詳しく教えてください!」
先輩:
「分かった。V5、V6、I、aVLはそれぞれ少しずつ違う方向を見ているけれど、全部が心臓の左側をカバーしているんだ。それを順番に説明するね。」
① V5、V6は左側(側壁)を見る心電図誘導
先輩:
「まず、V5とV6は胸の左側に貼る電極で、心臓の左側(側壁)を直接見る誘導だよ。」
新人:
「V1~V4と違って、心臓の左端に近い部分を見るってことですね?」
先輩:
「その通り。V5は左前腋窩線上(左脇の前側)、V6は左中腋窩線上(脇の真横)に貼るんだけど、この位置がそのまま左側の側壁を観察する方向になるんだ。」
イラスト:
- 胸部に電極を貼った模式図:V5、V6の位置を左側に強調して表示。
- 心臓を横から見た模式図:V5、V6が心臓の左端を見ている方向を矢印で示す。
② I誘導は左横方向を見る心電図誘導
先輩:
「次にI誘導。これは、心臓を左横方向から見ている誘導だよ。」
新人:
「I誘導は胸部誘導ではなく、手首に付ける電極ですよね?」
先輩:
「そう。右手と左手の間で心臓の電気を拾っていて、心臓を真横から左側に向かって観察するんだ。」
イラスト:
- I誘導の電極配置図:右手と左手の間を矢印で示し、心臓を左横方向から見る様子を強調。
③ aVL誘導は左斜め上方向を見る心電図誘導
先輩:
「最後にaVL誘導。これは心臓を左斜め上方向から見る誘導だよ。」
新人:
「斜め上方向を見ているんですか?どうしてaVLっていう名前なんですか?」
先輩:
「aVLの“L”は“Left”、つまり左を意味しているんだ。左腕の電極が心臓を左斜め上から観察する方向になるんだよ。」
新人:
「“L”が左を意味しているんですね!覚えやすいです。」
イラスト:
- aVLの電極配置図:左腕から心臓に向けて矢印を引き、左斜め上方向を強調。
④ まとめ:V5、V6、I、aVLで心臓の左側をカバー
先輩看護師(男性):
「この4つの誘導を合わせて、心臓の左側全体をカバーしているんだ。それぞれが少しずつ違う方向を見ているけれど、全部“左”を観察しているという点で共通しているよ。」
新人看護師(女性):
「左側を見る誘導ということがよく分かりました!」
側壁グループの特徴
誘導 | 見る方向 | 貼る位置/電極配置 | 見る部位 |
---|---|---|---|
V5 | 左側(側壁) | 左前腋窩線上(胸部誘導) | 左側の前寄り |
V6 | 左側(側壁) | 左中腋窩線上(胸部誘導) | 左側の真横 |
I | 左横方向 | 右手と左手の間の電極 | 心臓を左横から見る |
aVL | 左斜め上方向 | 左手の電極 | 心臓を左斜め上から見る |
次回予告
新人看護師(女性):
「次はST変化について教えてください!側壁グループでもST上昇やST下降が見られることがあるんですよね?」
先輩看護師(男性):
「その通り!次回は、側壁グループで見られるST変化と異常について詳しく説明するよ。」
新人看護師(女性):
「よろしくお願いします!次回も楽しみです。」