心電図でST変化を発見したら、最初に注目するべきは「どの誘導で変化が起きているか」です。誘導ごとに心筋の異常部位が異なり、それが治療方針や治療速度を大きく左右します。誘導は主に3つのグループ(下壁、側壁、前壁)に分けて考えると簡単に整理できます。
先輩看護師と新人の会話形式で学ぶ!ST変化と誘導の重要性
新人看護師:
「先輩、心電図でST変化を見つけたんですけど、その次は何を見ればいいんでしょうか?」
先輩看護師:
「いい質問だね!ST変化を見つけたら、次に「どの誘導で起きているか」を確認することが重要だよ。それによって、心筋のどの部位が影響を受けているかがわかるんだ。」
誘導は3つのグループに分かれるよ:
- 下壁
- 誘導:II、III、aVF
- 観察する部位:心臓の下側(右冠動脈:RCA)
- 波形例:たとえば、II、III、aVFでST上昇があれば、下壁梗塞を示唆するよ。
(ここに下壁でのST上昇波形の画像を挿入)
- 側壁
- 誘導:I、aVL、V5、V6
- 観察する部位:心臓の側面(左回旋枝:LCX)
- 波形例:側壁誘導でST上昇があれば、側壁梗塞が疑われるよ。
(ここに側壁でのST上昇波形の画像を挿入)
- 前壁
- 誘導:V1~V4
- 観察する部位:心臓の前側(左前下行枝:LAD)
- 波形例:前壁誘導でST上昇が見られたら、前壁梗塞の可能性が高いよ。
(ここに前壁でのST上昇波形の画像を挿入)
新人ナース:
「誘導で分けて考えると、心臓のどの部分に問題があるのかが明確になるんですね!」
先輩ナース:
「その通り!さらに、どのグループで異常があるかが分かることで、治療の緊急度や方法が変わってくるんだ。」
③ グループを確認することが治療に与える影響
- 治療方針の決定
誘導から冠動脈の病変部位を特定することで、カテーテル治療の計画が立てやすくなります。
例: - 前壁(V1~V4) → 左前下行枝(LAD)の病変を疑い、緊急PCI(経皮的冠動脈形成術)を検討。
- 下壁(II、III、aVF) → 右冠動脈(RCA)の閉塞を疑い、右心室への影響を評価。
- 治療速度の変化
正確な誘導の解析で、緊急性の高い梗塞(前壁など)を優先して治療できるため、救命率が向上します。
- 心臓と冠動脈を示す簡易イラスト
- 下壁、側壁、前壁がどの部位に対応しているかを色分け。
- 12誘導心電図の配置図
- 誘導ごとの位置関係(V1~V6、I、II、IIIなど)を視覚的に示す図。
- 心電図モニターを確認する看護師のイラスト
- 実際の波形解析をしている場面をイメージ。
まとめ
グループ | 関連誘導 | 観察部位 | 関連冠動脈 |
---|---|---|---|
下壁 | II、III、aVF | 心臓の下側 | 右冠動脈(RCA) |
側壁 | I、aVL、V5、V6 | 心臓の側面 | 左回旋枝(LCX) |
前壁 | V1~V4 | 心臓の前面 | 左前下行枝(LAD) |
ST変化を見つけたら、どの誘導で起きているかに注目することが診断・治療の鍵です!
誘導を3つのグループ(下壁、側壁、前壁)に分けて解析することで、迅速かつ適切な治療が可能になります。