新人看護師:
「先輩、V1~V4の貼り方や特徴は分かりました!でも、ST上昇やST下降が出るとき、どんな意味があるんですか?」

先輩看護師:
「いい質問だね!今日はV1~V4で見られる波形の異常、特にSTの上がり下がり(ST変化)について説明するよ。


① ST上昇:前壁梗塞の心電図波形の場合

先輩:
「心筋梗塞が前壁で起きた場合、ST上昇がV1~V4に現れることが多い。これは、心筋が傷ついて血流が途絶えたサインだよ。」

新人:
「どこを見ればST上昇が分かるんですか?」

先輩:
「QRS波が終わった後、本来は平らに戻るはずの部分が基準線より上に盛り上がっている場合、それがST上昇だね。」

イラスト案:

  • ST上昇の波形図:正常波形と比較して、ST部分が基準線より上に盛り上がった波形を示す。

② ST下降:前壁虚血(狭心症)の心電図波形の場合

先輩:
「一方、虚血状態ではST下降が見られることがある。これは心筋が一時的に血流不足になっている状態だね。」

新人:
「ST下降も見つけやすいですか?」

先輩:
「平らな部分が基準線より下に沈んでいる波形を見るんだ。波形が谷のように下がっている場合だね。ただし、狭心症では症状が出ているときだけ波形が変わることが多いから注意が必要だよ。」

イラスト案:

  • ST下降の波形図:正常波形と比較して、ST部分が基準線より下に沈んでいる波形を示す図。

③ まとめ

先輩:
「ST変化を見るときは、基準線より上に盛り上がっているか、下に沈んでいるかに注目するんだ。前壁梗塞ではST上昇、虚血ではST下降が見られることが多いから覚えておこう。」

新人:
「波形の特徴が分かると、異常を見つけやすくなりそうです!」


まとめ表:V1~V4での異常心電図波形

異常波形誘導疾患波形の特徴
ST上昇V1~V4前壁梗塞QRS波後の波形が基準線より上に盛り上がる(山のような形)
ST下降V1~V4前壁の虚血(狭心症)QRS波後の波形が基準線より下に沈む(谷のような形)

次回予告

新人:
「次は側壁グループについて教えてください!I、aVL、V5、V6の誘導がどの部分を見ているのか気になります。」

先輩:
「よし!では次回は側壁グループについて詳しく説明するよ。この誘導が何を見ているのか、どんな波形が特徴的なのかを一緒に学ぼう!」

新人:
「楽しみです!よろしくお願いします!」


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管理人どんどん

はじめまして、管理人のどんどんと言います。 看護師11年目の循環器ナースです。 心電図がわからない新人、中途採用、病棟異動できた看護師さんに心電図を指導していますが、病棟勤務のため対面では十分に教える時間が取れないことから、ブログという形で心電図の見方を伝えられたらと思い始めようと思いました。ブログは初めてなので、少しずつ改善していこうと思います。長い目で見て頂ければ、徐々に良くなっていくと思うのでよろしくお願いします。

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