第0話（前編）　心電図の扉をひらく ― 心電図のきほん

やあ、こんにちは。……どうしたの？ 何か困ってるみたいだけど？

そっか、最初はみんなそんな感じだよ。

――あ、僕はサイナス。心電図学園の3年生なんだ。

よかったら、少しだけ案内しようか？

もちろん。なんでも聞いていいよ

うん、心電図っていうのはね――心臓が“今、ちゃんと働いてるか”を確認するためのツールなんだ。

そう。心臓は“電気の信号”で動いてるんだけど、

その電気がきちんと流れているかどうかを見るのが“心電図”。

波の形を見れば、“異常があるかどうか”がわかるんだ。

そう。心電図が読めると、危ない波形にいち早く気づける。

だから、ナースやドクターにとってはすごく大事なスキルなんだよ。

ねぇ、せっかくだし、心電図の前にちょっとだけ“心臓のしくみ”をおさらいしておこうか

大丈夫。イメージできればそれでOKだから

まず、心臓は“4つの部屋”に分かれてるんだ。

上の部屋が“心房”、下の部屋が“心室”。

この“心房”が、全身や肺から戻ってきた血液をいったん受け取る部屋。

そして、“心室”が、その血液をギュッと送り出すポンプの部屋なんだ

そう、それめっちゃいい言い方だね！

もう少し細かく言うと――

1. 右心房 → 全身から帰ってきた血を受け取る
2. 右心室 → その血を肺に送り出す
3. 左心房 → 肺から戻ってきた血を受け取る
4. 左心室 → その血を全身に送り出す

この順番で、心臓の中を血液が流れてるんだよ。

……そして、心電図はこの心房と心室の動きを表しているんだよ。

ふふ、いい反応だね。

でもごめん、僕もこのあと授業があってさ。

よかったら、また明日続きを教えるよ。きっと、もっと面白くなるから。