先輩看護師:
「一言でいうと、V1~V4誘導は心臓の前壁を見ている誘導なんだ。」
新人看護師:
「前壁って心臓のどの部分を指すんですか?V1~V4の貼る位置や特徴が覚えられなくて……。」
先輩:
「V1~V4は胸の前面に貼る電極で、心臓の前壁を観察する誘導なんだ。貼る位置と波形の特徴を覚えるだけで分かりやすくなるから、今日はそのポイントを説明していくね。」
① V1~V4誘導の心電図の貼り方と見る方向
先輩:
「V1~V4の電極は胸の前面に貼るよね。これがそのまま心臓の前壁を見る位置になっているんだ。」
新人:
「貼る位置と観察する場所が一致しているってことですね!分かりやすいです。」
先輩:
「具体的には、V1とV2は心臓の右寄りの前壁、V3とV4は中央寄りの前壁を観察しているんだよ。この4つを合わせて、心臓の前壁全体をカバーしているんだ。」
イラスト案:
- 胸部に電極を貼った模式図:V1~V4の位置を色分けし、それぞれが前壁を観察していることを示す。
② V1~V4の心電図波形の特徴
先輩:
「次に、V1~V4の波形の特徴を覚えよう。ポイントは、R波が徐々に大きくなる“R波の進展”だよ。」
新人:
「R波の進展ってどういう意味ですか?」
先輩:
「心臓の電気の流れが左室に向かうから、V1~V4に進むにつれてR波がだんだん高くなるんだ。もしR波が大きくならない場合は、異常を疑うこともあるよ。」
イラスト案:
- R波の進展を示す図:V1からV4にかけてR波が徐々に高くなる様子を示す。
③ V1~V4の心電図波形の重要性
先輩:
「V1~V4は、心臓の前壁全体を観察する上で欠かせない誘導なんだ。異常があれば、STの上がり下がりやR波の進展が変化することで見つけられるよ。」
新人:
「V1~V4全体を確認することで、前壁の異常を見逃さないようにできるんですね!」
まとめ
誘導 | 貼る位置 | 見る方向 | 見る部位 | 波形の特徴 |
---|---|---|---|---|
V1 | 胸骨右側第4肋間 | 前方向 | 前壁右寄り | R波が小さい(徐々に大きくなる前の段階) |
V2 | 胸骨左側第4肋間 | 前方向 | 前壁左寄り | R波が少し大きくなる |
V3 | 胸骨左側第4~5肋間中間 | 前方向 | 中央の前壁 | R波がさらに大きくなる |
V4 | 左乳頭の第5肋間 | 前方向 | 前壁中央 | R波が最大になることが多い |
次回予告
先輩:
「次回は、V1~V4でどんな波形の変化が異常を示すのか、具体的に説明するよ。ST上昇やST下降の見方について一緒に学ぼう!」
新人:
「よろしくお願いします!」