「一言でいうと、AVRとは心臓の右斜め上を観察する唯一の誘導で、波形が他と逆向き(陰性)になるのが正常です。」
先輩看護師:「さて、これまで心臓を前、左、下と見てきたけど、AVRだけは右斜め上を観察する特別な誘導なんだ。」
新人看護師:「右斜め上ですか!他の誘導と全然違いますね。」
先輩:「その通り。そして、AVRの“R”はRIGHT(右)を意味しているよ。この名前が示す通り、右方向を見ている誘導なんだ。」
新人:「名前に“R”が入っているから右なんですね!覚えやすいです。」
先輩:「さらに、AVRでは心臓の電気の流れと逆方向を観察しているから、波形が反転(陰性)するんだよ。」
1. AVRの波形が逆転する理由
先輩:「心臓の電気信号は、洞結節(右心房の上部)から始まって右上から左下に流れるのが基本だね。」
新人:「はい、心臓の電気の流れは右上から左下へ向かうのが基本ですね。」
先輩:「でも、AVRは右斜め上=右肩方向を見ている誘導だから、この流れを真逆の方向から観察しているんだ。だから、AVRでは波形が逆転するんだよ。」
2. 洞結節から左下に流れる電気信号をイラストで確認
先輩:「じゃあ、ここで洞結節から左下に流れる電気信号の流れをイラストで確認してみようか。」
(ここに洞結節から左下に流れる電気信号の流れを示すイラストを挿入)
新人:「イラストを見ると、電気が右上(洞結節)から左下(心室)に向かっているのが分かりますね!」
先輩:「そうだね。そして、この流れを右斜め上(右肩方向)から見るのがAVRなんだ。」
3. AVRの波形をイラストで確認
先輩:「次に、AVRの波形を確認してみよう。右斜め上から見ているから、波形がほとんど陰性(逆転)になっているのが分かるはずだよ。」
(ここにAVRの波形画像を挿入)
新人:「本当に全部が下向きになっていますね!これが正常なんですね。」
先輩:「その通り。この波形が陰性であることが、電極が正しく配置されている証拠なんだよ。」
4. AVRの波形が逆転していない場合
新人:「もしAVRの波形が逆転していなかったら、どうすればいいですか?」
先輩:「新人さんの場合は、まず電極の配置ミスを疑うことが大切だよ。電極が左右逆になっていたり、間違った位置に付けられていると、AVRの波形が逆転しないことがほとんどだからね。」
新人:「なるほど。まずは電極の配置を確認するんですね!」
先輩:「そうだね。それが基本だけど、稀に心臓の伝導異常が原因の場合もある。ただ、ほとんどは電極の配置ミスだから、最初にそこをチェックするのが大事だよ。」
最後にまとめる表を挿入
「AVRの特徴まとめ」
特徴 | 説明 |
---|---|
方向 | 右斜め上(右肩方向)を観察 |
波形の特徴 | P波、QRS波、T波がほとんど陰性(逆転) |
正常時の意義 | 波形が逆転していることで正常な配置と電気の流れを確認できる |
逆転しない場合 | 電極の配置ミスが原因であることがほとんど |
“R”の意味 | RIGHT(右)を表し、右方向を見ている誘導であることを示す |
イラスト挿入
- 洞結節から左下に流れる電気信号の流れ
- 右上(洞結節)から左下(心室)へ向かう電気信号の基本的な流れを示すイラストを挿入。
- AVRの電極配置と電気信号の流れ
- 右肩方向を示す矢印付きイラストを挿入し、洞結節からの流れと逆方向を強調。
先輩: 「ここまで、前壁、側壁、下壁について一通り説明してきたけど、本当にお疲れ様!結構長い説明だったから、一度聞いただけじゃ全部を理解するのは難しいと思うんだ。」
新人: 「そうですね、波形を見ながら説明を聞いても、まだ頭の中で整理しきれていない感じがします。」
先輩: 「それで大丈夫だよ。何度か波形を見返して、少しずつポイントを思い出せるようになればいいの。焦らなくていいから、自分のペースで進めていこうね。」
新人: 「ありがとうございます!壁ごとの特徴がわかるようになれば、12誘導にも自信が持てるようになりそうです。引き続き頑張ります!」
先輩: 「その意気だね。12誘導を理解することは、患者さんの状態を的確に把握するための大事なスキルだから、着実に身につけていこう。これからも一緒に頑張ろう!」