第一話「心電図学園へようこそ」― 心電図とは何か? 心臓の仕組みの基礎 ―

どんどん

こんにちは、どんどんだよ!

看護師歴は12年目。ふだんは循環器ナースとして働いてます。

この「心電図学園」はね、

心電図がちょっと苦手だなぁって思ってる人のために作った、やさしい物語形式の学習シリーズなんだ。

今回のテーマは、「心電図とは何か? 心臓の仕組みの基礎」。

一緒に、少しずつやっていこうね。

この記事では、大島一太先生の本『これならわかる心電図の読み方』を参考にして進めていくよ。


目次

心電図学園へ

――校門をくぐった瞬間、胸がドクンと高鳴った。

御堂ミト

(ここが、心電図学園……

全国から選ばれた人たちが集まる、憧れの学校)

(私だって、本当は自信なんかない。

前の学校じゃ、落ちこぼれで終わるはずだった。

でも――ここで変わりたい)
……よし。

私、ここで変わってみせる。

春の風に、決意の声が吸い込まれていった。

心電図とは何か

先生

みなさん、今日から始まる“心電図学”の授業へようこそ。

まず最初に――心電図って、何だと思いますか?

先生

心電図とは、心臓が“今、ちゃんと働いているか”を確認するためのツールです。

心臓は“電気の信号”で動いていますが、その電気がきちんと流れているかどうかを見るのが心電図。

波の形を見れば、“異常があるかどうか”がわかります。

じゃあ……異常があるかどうかが分かると、どうなりますか? ――久遠さん。

久遠シズマ

急変や、命に関わる事態にすぐに対応できます。

先生

その通りです。
心電図を読めると、危ない波形にいち早く気づけます。

だからナースや医師にとって、心電図を読む力はとても大切なスキルになるんです。

御堂ミト

(危ない波形にいち早く……か。

私も、そんなふうに頼られる存在になれるのかな……なりたい、けど。

よし、とにかく置いていかれないように頑張らなきゃ!)

心電図とは?

  1. 心臓が“今、ちゃんと働いているか”を確認するためのツール。
  2. 心臓の“電気の流れ”を波の形で見える化したもの。
  3. 波の形を見ることで、異常の早期発見や命を守る判断につながる!

心臓の仕組みの基礎 〜心房と心室ってなに?〜

先生

この授業では、まず心臓について学んでいきましょう。

ここに来る方々ならわかっていると思いますが、心臓の仕組みについておさらいしてみましょうか。

御堂ミト

(わ、私……心臓の構造とか……ちょっとあやふやだ……

大丈夫かな、ちゃんとついていけるかな……)

先生

まず、心臓は“4つの部屋”に分かれています。

上の部屋が“心房”、下の部屋が“心室”です。

御堂ミト

(うん……名前は聞いたことある。)

先生

この“心房”が、全身や肺から戻ってきた血液をいったん受け取る部屋。

そして、“心室”が、その血液をギュッと送り出すポンプの部屋です。

御堂ミト

(へぇー!

じゃあ、心房は“準備係”、心室は“本番のポンプ役”ってことかも!)

先生

もう少し細かく説明しますと――

  1. 右心房 …… 全身から帰ってきた血を受け取る
  2. 右心室 …… その血を肺に送り出す
  3. 左心房 …… 肺から戻ってきた血を受け取る
  4. 左心室 …… その血を全身に送り出す

この順番で、心臓の中を血液が流れていきます。

先生

……そして、心電図はこの心房と心室の動きを表しているんです。

御堂ミト

(えっ!? じゃあ、あの線って……心臓の動きをそのまま描いてるってこと!?)

心房と心室の役割をおさらい

  1. 心房(右・左)= 血液の“受け取り係”
  2. 心室(右・左)= 血液の“送り出し係”
  3. 上の部屋(心房)が準備して、下の部屋(心室)が力いっぱい押し出す!
  4. この順番と力の流れが崩れると、心電図にも異常が現れる!

先生

それでは次に、この線の意味と“刺激伝導系”について説明しますね。

この線の意味は――心臓の中で電気がどのように伝わっていくかを……

その後の授業は、どんどん専門用語が飛び交っていった。

授業終了後

教室を出たミトは、ぐったりと肩を落とす。

御堂ミト

(難しすぎて、全然わからなかった……。

こんな最初でつまずくなんて、私、本当にここでやっていけるのかな……)

足取りも重く廊下を歩いていると、不意に冷たい声が背後から刺さった。

久遠シズマ

さっきの授業もまともに理解できないなら、この学院にいる意味はない。

お前みたいな奴が、なんでこの学院にいるんだ。

振り返ると、そこに立っていたのは同じクラスの久遠シズマだった。

真っすぐな視線で見下ろされ、言葉が出ない。

御堂ミト

(えっ、何この人……急に来て、ひどくない?

でも……言ってることは、たしかに正しいのかもしれない……)

放課後の校舎の外。

近くに置かれたベンチに腰を下ろし、ミトはノートを開いたまま、膝の上に顔をうずめていた。

御堂ミト

(私、本当にやっていけるのかな……)

夕方の風が、ページをひらひらとめくっていく。

その時――足音が近づき、そっと立ち止まる気配がした。

???

……大丈夫?

ふいにかけられた優しい声に、ミトが顔を上げる。

そこに立っていたのは――。

第1話・終

次回予告

どんどん

次回の心電図学園はね――

ベンチで落ち込んでるミトの前に、誰かがそっと現れるんだ。

その出会いをきっかけに、

P波・QRS波・T波の意味とか

**心臓が動く仕組み(刺激伝導系の基礎)**の世界に、少しずつ足を踏み入れていくよ。

第2話「動き出すリズム」

― P波・QRS波・T波の意味と、刺激伝導系の基礎 ―

ここから、ミトの学びがゆっくりと動き出していくんだ――。

次も楽しみにしててね。

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管理人どんどん
はじめまして、管理人のどんどんと言います。 看護師12年目の循環器ナースです。 心電図がわからない新人、中途採用、病棟異動できた看護師さんに心電図を指導していますが、病棟勤務のため対面では十分に教える時間が取れないことから、ブログという形で心電図の見方を伝えられたらと思い始めようと思いました。ブログは初めてなので、少しずつ改善していこうと思います。長い目で見て頂ければ、徐々に良くなっていくと思うのでよろしくお願いします。