心電図を読むうえで、まず最初に覚えてほしいのが
**洞調律(どうちょうりつ)**という正常な波形です。
まだ何も知らないエーエフちゃんと一緒に、
心臓が“正しく動いているときの波形”を見ていきましょう!
目次
第1話「はじめての波形、はじめての鼓動」~洞調律~
“どうせ、私にはムリ”って思ってた。
心電図を読むのは、特別な人だけの世界だと思ってた。
だけど、サイナスくんに出会ったあの日から、すべてが変わった。
波形には“意味”がある。そこには“命の声”がある。
ここは、心電図学園。
学び、気づき、救うために作られた、特別な研究機関。
今日もまた、新たな波形と出会う物語が始まる――。

(今日が初めての臨床実習)
いよいよ…はじめてのモニター装着。ドキドキする…

こんにちは〜。今日は検診じゃけど、最近ちょっと胸が気になるんじゃよ

あ、あのっ…こちらへどうぞ!モニターつけますねっ


(じーっと波形を見ながら)
「う〜ん…。なんか、波はあるけど…これって…どうなの?正常?異常?」

焦らなくて大丈夫。波形を見るときは、まず“3つのポイント”を確認しようか
洞調律の3つのチェックポイント

- P波が毎回あること
- RR間隔が等間隔で一定
- PQ間隔が3〜5マス以内

この3つがそろっていれば、“洞調律”だよ。正常なリズムってこと。
それに加えて、基本としてP波・QRS波・T波が上向きになっていることもポイントだね。

でも…参考書だと、“P波の幅が0.75mm未満”とか、“T波の形が左右対称”だとか、
もっと細かく正常値をチェックするって書いてあったような…

うん、確かに参考書には細かい数字や基準がたくさん出てくるよね。
でも今は、そこまで気にしなくて大丈夫。
心電図は“見てわかる感覚”もすごく大事だからね。
まずは安心していい波形を、自分の中にストックしていこう!
印刷用紙のマス目の見方

でも…PR間隔の“3〜5マスって、どうやって測るの?

いい質問!心電図のモニターや印刷した波形には、**“マス目”がついてるよね。
この横1マス(小さいマス)**が、0.04秒なんだ。」
だからPR間隔が3マス分あれば0.12秒、5マス分で0.20秒。
つまり、P波の始まりからQRSの始まりまでが3〜5マス分あれば、正常範囲ってことになるんだ。


つまり――この患者さんの心電図は、“洞調律”。
正常なリズムってことだね。」

正常って、ちゃんと見てわかるんだ…!
なんか…ちゃんと動いてる心臓って感じがして…ちょっと感動かも…

ふぅ……今日もこの心臓、ちゃんと動いてくれてるみたいじゃのぅ
次回予告
はじめて出会った正常波形、“洞調律”。
わからなかったものが、ひとつ“わかる”に変わった瞬間――
でも、このおじいさんの心電図には、まだ変化の予兆が…?

あれっ?さっきまでと違う…?
エーエフちゃんが見つけた、“ちょっと気になる”その波形とは――?
次回、「心房期外収縮(PAC)」登場!
こんにちは!
看護師歴12年目、現役循環器ナースのどんどんです。
このブログは、心電図が苦手な看護師さん向けに書いています。