この記事は、病棟で働く“心電図が苦手な看護師さん”向けに書いています。
心電図って、細かく読もうとするとすごく難しいですよね。
でも実際の現場では、
- これは危険な波形?
- 報告した方がいいのかな?
そんなふうに、ざっくりと「これは大丈夫そう」「これはヤバそう」と、
大まかに分類できる力のほうが役立つ場面も多いと思いませんか?
この記事では、そんな“波形の見た目に惑わされずに、落ち着いて判断できるようになる方法”をやさしくお伝えしていきます。
今回は**T波が逆向き(陰性)**の波形について取り上げます!

T波が逆を向いていると、
- これって異常なの?
- T波の下向きって、心筋梗塞って聞いたことがあるけどヤバいの?
- T波が下向きでも、洞調律って言っていいの?
…と、いろんな疑問が浮かびますよね。
この記事では、そんな疑問を解決していきます。
目次
慢性的に下向きなら、あまり気にしなくてOK!
患者さんの過去の心電図を見て、
以前からT波がずっと下向きになっている場合は、慢性的な変化の可能性が高いです。
この場合、特に報告や対応が必要になることは少ないです。

えっ、T波が逆でも問題ないときがあるの!?

そうです。昔からずっとT波が下向きなら、その人にとっての“普通”の波形かもしれませんよ。
T波が下向きでも、洞調律のことは多い!

心電図を見ていて、「T波が下向きだ!」と気づくと、
「え、これって異常じゃないの?」とドキッとすることもありますよね。
でも落ち着いて、まずはこの3つをチェックしてみてください:
- P波があるか?
- RR間隔は一定か?
- PQ間隔は一定で5マス以内か?
この3つの“基本のチェックポイント”が整っていれば、
T波が下向きでも、その人にとっての正常な洞調律であることが多いです!

T波が下向いてるだけで、“異常だ!”って慌ててたかも〜

大丈夫ですよ。まずは基本の3ポイントを見て、リズムが安定していれば心配しすぎなくてOKです!
T波が下向きになる原因はいろいろある
実はT波が下向きになる理由は、ひとつではありません。
よくある原因としては…
- 過去の心筋梗塞(慢性的な変化)
- 心室肥大
- 虚血(心筋への血流不足)
- 位置や体格、リードの貼り方によるもの など
つまり、「T波が陰性だから=すぐにヤバい」というわけではないんです。

T波が逆向きになる理由、けっこういろいろあるんだね〜!

はい。T波だけ見て判断するのではなく、全体の波形や患者さんの背景とあわせて見るのが大事です!
ただし、急にT波が下向きになったら要注意!
ポイントは、「急にT波が下向きになった」
そして、**「患者さんに胸痛などの症状がある」**ときです。
このような場合は、急性心筋梗塞などの虚血性変化の可能性があります!
その場合は、
- まず患者さんの症状確認!
- 12誘導心電図をとって、すぐに医師に報告!
が必要になることが多いです。

T波が急に反転してて、しかも患者さんが“胸が痛い”って言ってたら、もう大騒ぎよね…!

その通りです。そんな時は迷わず、すぐに報告しましょう!
補足:T波が下向きになるタイミングについて
教科書では、T波が下向きになるのは、心筋梗塞発症からおよそ1週間後に出現すると書かれていることが多いですが、これはあくまで典型例です。
実際の臨床では、発症から2〜3日でT波が下向きになるケースもあり、個人差があります。
波形の変化だけで判断せず、**症状や経過、背景疾患などとあわせて判断することが大切です。
今回のまとめ!
- 慢性的な変化なら、基本は様子見でOK
- T波が下向きでも、洞調律のことはよくある!
- 原因はいろいろあるので、T波だけで判断しない!
- 急に反転していて、症状がある場合は心筋梗塞の可能性あり!

もう、T波が下向きってだけでビビらなくていいんだね〜!

そうですよ。見た目じゃなく、背景や変化とあわせて見ることが大事です!
今日のところはここまで!おつかれさまでした!
完璧じゃなくていいんです。ゆっくり覚えていきましょう!
こんにちは!
循環器ナース歴9年目、看護師歴12年目のどんどんです!