この記事は、病棟で働く“心電図が苦手な看護師さん”向けに書いています。
今回のテーマは「QS波」!
モニターを見ていて、こんな疑問が出てきたことありませんか?
- QRS波が下向きの波形があるけどこれって何?
- P波はあるけど、これって洞調律って言っていいの?
- QRS波が下向きって、おかしいよね?報告した方がいいの?
- この波形って、どんなことを表しているの?
今回は、**QRS波が下向きになっている「QS波」**について、
初心者にもわかりやすく解説していきます!
目次
QS波ってなに?

QS波とは、QRS波が下向きになっている波形のこと。
いつもの“上向きの尖った波”が消えて、
一つの谷だけで終わっているように見える波形がQS波です。

なんか“全部下向き”って、見ただけで不安になっちゃう〜

大丈夫ですよ。どうしてこうなるのか、これから一緒に見ていきましょう。
QS波は心筋梗塞が関係していることが多い
QS波が見られるとき、よくあるのが心筋梗塞後の変化。
心筋の一部が壊死すると、その部分からは電気が出なくなり、QS波という形で現れることがあります。これが慢性的に残っていることも。

え、QS波=心筋梗塞!?…見たら即報告かと思ってた〜!

その可能性はありますが、“昔の梗塞の痕”として出てることも多いんです。冷静に見ていきましょう。
前からあるQS波なら、焦らなくてOK!
QS波が以前からずっと出ていて、患者さんに症状もないなら、すぐに報告する必要はありません。
ただし、看護師としてはこんな意識を持っておくと安心です。
- QS波=過去に心臓にダメージを受けた証かも
- 心機能が落ちている可能性もある
- 無理な離床や急な運動は控える
- 退院指導では「疲れすぎに注意」など優しくフォロー

前からあって症状がなければ、QS波ってそこまで気にしなくてもいいんだね〜

そうです。ただ、心臓がデリケートな可能性はあるので、日常のケアで気をつけましょう。
突然QS波に変化したら要注意!
もしこれまで上向きだったQRS波が、急にQS波に変化していて、患者さんが胸痛などを訴えていたら…
それは心筋梗塞の初期サインかもしれません。
対応としては、
- 12誘導心電図をとる
- バイタルサインをチェック
- すぐに医師に報告!

さっきまで普通だったのに、急に下向き波形に…それってもしかして!

症状とセットで出てきたら、それは見逃せないサイン。早めの対応が命を救います。
QS波でも洞調律かどうかを見分けるには?

「全部下向きで不安…」その気持ちわかります。
でも、洞調律かどうかはリズムの整い方をチェックすればOKです!
洞調律かを見極めるには、この3つをチェック!
洞調律を見分ける3ポイント
- P波があるか?
- RR間隔が一定か?(QS波の頂点から次の頂点まで)
- PQ間隔が5マス以内で一定か?
この3つを満たしていて、波形が以前からこの形であるなら、
**その人にとっての“洞調律”**として見てOKです。

見た目にびっくりしちゃったけど、ちゃんと洞調律か確認すれば焦らなくてよかったんだ〜

そうです。形よりリズムが大事!落ち着いてチェックすれば大丈夫ですよ。
今回のまとめ!
- QS波はQRS波がすべて下向きに出る波形
- 心筋梗塞の影響で出ていることもあるけど、慢性的なら焦らなくてOK
- 症状がある+急な波形変化なら、心筋梗塞の可能性あり!
- QS波でもP波・RR間隔・PQ間隔の3つがそろっていれば洞調律として見てOK!

波が全部下向きだとパニックになりそうだけど、今回のでちょっと自信ついたかも〜!

そうです。形に惑わされず、冷静にリズムと症状をチェックするのが一番ですよ。
今回はここまで!おつかれさまでした〜
完璧じゃなくていいんです。ゆっくり覚えていきましょう!
こんにちは!
循環器ナース歴9年目、看護師歴12年目のどんどんです!