一目でわかる!ペースメーカー挿入後のセルフケアをざっくり解説
ポイント①腕の動かし方に注意!

- 手術した側の腕は高く上げない!
- リードレスタイプは腕の制限なし。
ポイント②入浴・シャワーはいつから?

- シャワーは可、湯船はNG!
- 泡でやさしく洗うのがポイント。
- 創部をチェック!
リードあり:左鎖骨下
リードレス:足の付け根 - 赤み・腫れ・滲出液は感染のサイン!
ポイント③自己検脈は大切!

- 設定値より遅い場合は早めに受診!
- 自動血圧計で脈拍を確認してもOK。
ポイント④異常時の対応を覚えよう!

- めまい・息切れ・失神などが出たらすぐ受診!
- ペースメーカー手帳は常に携帯!

こんにちは!
看護師歴12年目、現役循環器ナースのどんどんです。
このブログでは、心電図が苦手な看護師さん向けに、心電図の参考書を読む前の参考書をコンセプトに1記事10分程度で読めるように、やさしく・わかりやすく解説しています!
さて今回は「退院後に気をつけたい!ペースメーカー生活の基本」
をテーマに解説していきます!
※この記事は、Medtronic社の患者さん向けパンフレットなどを参考に、看護師の目線でやさしくまとめているんだ。
ここで紹介している内容は一般的なものだから、実際のケアは主治医の先生の指示を優先してね。
目次
- 一目でわかる!ペースメーカー挿入後のセルフケアをざっくり解説
- まずは確認!自分のペースメーカーの種類を知ろう
- ポイント①腕の動かし方に注意!
- ポイント②入浴・シャワーはいつから?
- ポイント③自己検脈は大切!
- ポイント④異常時の対応を覚えよう!
- 今回のまとめ

ペースメーカーを入れた患者さんって、退院してからも気をつけることがいくつかあるんだ。

手術が終わって安心しても、油断は禁物ってことね!

そうなんだ。退院後の過ごし方を間違えると、せっかく入れたペースメーカーに負担がかかっちゃうんだよ。
だから、退院指導では“どんなことに注意すればいいか”をしっかり伝えるのが大切だよ。
まずは確認!自分のペースメーカーの種類を知ろう



ねぇサイナスくん、退院してから“私のペースメーカーってどっちのタイプだったっけ?”って、忘れちゃう人もいそうじゃない?

うん、実際あることなんだ。
ペースメーカーにはリード(線)を使うタイプと、リードレス(線なし)タイプの2種類があるんだけど、
時間が経つと自分がどっちだったか分からなくなる人もいるんだよ。

そういうときはどうやって確認すればいいの?

まずはペースメーカー手帳を見てみよう!
機種名やメーカー、リードの有無もちゃんと書かれているんだ。
もし手帳が見当たらなかったら、鎖骨の下を軽く触ってみるのも方法のひとつ。
胸のあたりに“硬い小さな機械”を触れたら、それはリード付きのペースメーカー。
何も触れなければリードレスタイプの可能性が高いね。
ただし、強く押さえたり痛みがある場合はやめておこう。

なるほど! 手帳か触診で、自分のタイプが簡単にわかるんだ!

そうそう。それでも不安なときは、病院で確認すればすぐ教えてもらえるよ。
- 退院指導では、まず**自分のペースメーカーのタイプ(リードあり/リードレス)**を患者が理解しているか確認。
- わからなくなったら
① ペースメーカー手帳を確認するよう指導。
② 鎖骨下を軽く触れて本体の有無を確認する方法も紹介。 - 不明時は外来やかかりつけ医に確認を促す。
ポイント①腕の動かし方に注意!



リードがあるタイプの場合、手術した側の腕は1〜2ヶ月くらいは高く上げすぎないようにしよう。
リード(ペースメーカーの線)が抜けたり、摩耗して断線するリスクがあるからね。

重いものを持つのもダメ?

そうだね。重い荷物を持ったり、急に腕を動かすのもNG。
日常生活では肩より上に腕を上げないように気をつけよう。
リードがしっかり固定されるまでは、無理せずゆっくり過ごすのが大事なんだ。

なるほど、しばらくは腕を休ませてあげる感じなんだね!
……でもサイナスくん、リードレスペースメーカーの場合はどうなの?

リードレスペースメーカーにはリード(線)がないから、腕の制限は基本的にないんだ。
だから、退院後の動作もかなり自由なんだよ。

へぇ〜! 仕組みが違うと、注意点も変わるんだね!
- リードありのペースメーカーでは、手術した側の腕を1〜2ヶ月くらいは高く上げすぎない。
- 重い荷物や急な動作は避ける。
- リードの抜け・摩耗・断線を防ぐための大切なポイント。
- リードレスペースメーカーでは腕の制限なし。
ポイント②入浴・シャワーはいつから?



サイナスくん、ペースメーカーを入れたあとって、いつからお風呂に入っていいの?

基本的には、傷口が完全に閉じるまでは湯船はNGなんだ。
お湯につかると感染のリスクがあるからね。

なるほど〜。じゃあ、シャワーはどうなの?

医師からOKが出たら、シャワーは大丈夫だよ。
そのときはお湯の勢いを弱めて、やさしく当てる程度でOK。
石けんをよく泡立てて、泡で包むようにやさしく洗うのがポイント。
お湯で泡を流したら、清潔なタオルで軽く押さえるように拭こう。

やさしく洗って、清潔を保つのが大事なんだね!

その通り。入浴後は創部の観察も忘れずに!
赤み・腫れ・滲出液があったら感染のサインかもしれないから、早めに相談してね。
リードレスの場合も、穿刺部(足の付け根)に赤みや腫れがないか確認してね。
どちらのタイプでも、“清潔を保つ”ことが一番大事なんだ。
- 傷口が完全に治るまでは湯船はNG。
- シャワーは医師の許可が出てから(リードレスなら1〜2日後OKのことも)。
- 傷口を洗うときは石けんを泡立てて、やさしく洗う。お湯の勢いは弱めに。
- リードあり:鎖骨下、リードレス:足の付け根に創部あり。
- 清潔を保ち、赤み・腫れ・滲出液などの感染サインを確認。
- 特にリードありは感染リスクが高いため、より注意して観察!
ポイント③自己検脈は大切!



次は“ペースメーカーがちゃんと動いてるか”を確かめる方法、つまり自己検脈についてだね。

自分で確認できるの?

そう! 方法は簡単。
手首に軽く指を当てて、脈の速さやリズムを感じてみよう。
大切なのは“設定された脈拍より遅くなっていないか”を確認することだよ。
もし設定より10回程度低ければ、ペースメーカーの作動異常の可能性があるから、早めに受診してね。

リードレスペースメーカーでも同じ?

うん。リードありでもリードレスでも共通!
もし手で脈を取るのが難しい人は、自動血圧計で脈拍数を確認するだけでもOKだよ。

なるほど〜。じゃあ、定期的な外来チェックは必要なの?

もちろん!
定期チェックでは、電池残量・作動確認や本体の異常を確認するよ。
ちなみに、電池の寿命は通常のペースメーカーで約5〜10年、
リードレスなら10年くらいが目安だよ。
電池が切れる前に交換できるよう、定期チェックがとっても大事なんだ。
- 自己検脈で設定脈拍より遅くなっていないかを確認。
- 10回程度低い場合は作動異常の可能性 → 早めに受診!
- 手での検脈が難しい人は、自動血圧計で脈拍数を確認してOK。
- 外来では定期的に電池・作動をチェック。
- 電池寿命は通常型で約5〜10年、リードレスで約10年。
ポイント④異常時の対応を覚えよう!



もし“なんかいつもと違うな…”って感じたら、どうすればいいの?

まずは落ち着いて、自己検脈をしてみよう。
脈がいつもより遅かったり、不規則だったりしたら、ペースメーカーがうまく動いていない可能性があるよ。
それに、めまい・息切れ・胸の違和感・意識が遠のくような症状が出たら、すぐに病院を受診しよう。

なるほど。すぐに病院に行くのが大事なんだね。

そうそう。そしてもうひとつ大事なのが“ペースメーカー手帳”を必ず携帯しておくこと。
救急搬送されたときや検査を受けるときに、医療者が安全に対応できるんだ。

じゃあ、もし手帳を持ってなかったらどうなるの?

手帳がないと、ペースメーカーが入っていることが分からずに、
MRIや電気治療など“非対応の検査”を受けてしまう危険があるんだ。
そうなると、ペースメーカーが誤作動を起こしたり、壊れたりするリスクがある。
だからこそ、手帳は命を守るパスポートなんだよ。

なるほど……! そう聞くと、外出のときも絶対に忘れられないね!

その通り。お財布やスマホと同じくらい大事なものだから、
どんなときも持ち歩く習慣をつけよう。


- 異常を感じたら、まずは自己検脈→症状があればすぐ受診。
- ペースメーカー手帳は命を守るパスポート。
- 手帳があれば、医療者が安全に検査・治療を判断できる。
- MRIや電気治療などの“非対応検査”を防ぐためにも必携。
- 外出や通院のときは、必ず携帯しておこう。
今回のまとめ

今回の内容をまとめるね。
まずは確認!自分のペースメーカーの種類を知ろう

目的は自分のペースメーカーのタイプを知って、適切なセルフケアを行うことだったね!
- 手帳を見て機種名とリードの有無を確認。
- 鎖骨の下を触って、ふくらみがあればリードあり/なければリードレスの可能性が高い。
ポイント① 腕の動かし方に注意

目的はリードの抜け・摩耗・断線を防ぐためだね!
- 手術した側の腕は1〜2ヶ月は高く上げすぎない。
- 重い荷物や急な動作は避ける。
- リードレスでは腕の制限はなし。
ポイント② 入浴・シャワーはいつから?

目的は清潔を守り、傷口の感染を防ぐためだったね!
- 傷口が完全に治るまでは湯船はNG。
- シャワーは医師の許可が出たらOK。
- 石けんは泡立ててやさしく洗い、お湯の勢いは弱めに。
- 入浴後は創部を観察:赤み・腫れ・滲出液に注意。
- リードレスの場合も、**穿刺部(足の付け根)**の清潔を保つ。
ポイント③ 自己検脈は大切!

目的はペースメーカーの異常を早く発見するためだね!
- 自己検脈で設定脈拍より遅くなっていないか確認。
- 10回程度下回る場合は作動異常の可能性 → 早めに受診。
- 自動血圧計で脈拍を確認してもOK。
- 外来では定期的に電池・作動をチェック。
- 電池寿命の目安:リードあり約5〜10年/リードレス約10年。
ポイント④ 異常時の対応を覚えよう!

目的は、いざというときに困らないように自分で準備しておくってことだね!
- めまい・息切れ・胸の違和感・意識消失があればすぐ受診。
- ペースメーカー手帳は命を守るパスポート!
機種・設定・病院情報が記載され、救急や検査時に重要。 - 手帳がないと、**非対応の検査(MRIなど)**を受けてしまうリスクあり。

自分のペースメーカーの種類を知って、腕や創部を大事にして、
脈もチェックしておけば安心だね!
……でもサイナスくん、ペースメーカーって電気で動いてるんだよね?
じゃあ、家電とか電磁波って、どう気をつければいいのかな〜?

いいところに気づいたね!
じゃあ、次は“家電や電磁波との付き合い方”について、一緒に見ていこうか。

退院後のセルフケアを丁寧に伝えることは、
患者さんの“安心した生活”を守るいちばんのサポートなんだ。
僕たち看護師の何気ない声かけや説明が、
“もう大丈夫”という患者さんの安心につながるんだよ。
焦らず、あたたかく――
一人ひとりの“これからの生活”を支える気持ちで伝えていこうね!



ペースメーカーを入れたあとは、「退院したらもう安心!」と思いがちですが、
実は退院後のセルフケアこそが再入院を防ぐいちばんのポイントです。
以下の4つを押さえて、安心して日常生活を送りましょう!