こんにちは!
循環器ナース歴9年目のどんどんです。
この記事は、心電図が苦手な看護師さん向けに書いています。
参考書を見て「難しすぎて無理かも」と感じた方に読んでほしい内容です。
心電図を見ていると、
「え!? なにこの波形…VFっぽい?ヤバいやつかも…!」
って、思わず焦る瞬間、ありますよね。
でも実際には、
患者さんはピンピンしていて、
モニターパッチが剥がれそうなだけでした――なんてことも。
心電図を見始めたばかりの頃って、こんなことで不安になりませんか?
- この飛び出た波、PVC?ノイズ?見分けつかない…
- 教科書に載ってない波形が出ると、もう焦るばかり…
- え、これVF!?って思って駆けつけたら、本人は元気だった…
- 波形の違和感はなんとなくわかるけど、自信がない…
この記事では、そんな**“初心者の不安あるある”**を解消できるように、
ノイズ(アーチファクト)の特徴と見分け方を、やさしく解説していきます!
ちなみに、ノイズのことは正式には「アーチファクト」と呼ばれますが、
現場では「ノイズ」という言い方の方がよく使われています。
この記事でも、わかりやすさを優先して「ノイズ」という呼び方でお話していきますね。
目次
ノイズってなに?
簡単に言えば、**“心臓のせいじゃないのに出てくる波形”**です。
たとえば…
- 体の震え(振戦、不穏、歯磨きなど)
- 看護師が処置中に腕や体を動かしたとき
- 電極が浮いた・モニターパッチがずれているとき
こうした外的な影響で、一見、不整脈のように見える波形が出ることがあります。

怖く見える波形でも、実は心臓じゃなくて“外の問題”かもしれませんよ。
ノイズの特徴
よくある見た目の特徴はこの3つ!
- 波形が急に飛び出したり、変なカタチになる
- ギザギザ・ザワザワして不規則な波が続く
- 波形が突然フラット(直線)になることもある
よくあるノイズの波形パターン
① PVCかと思ったら…これってなに?

- QRS波のような波が突然現れる
- 前後の波形もやや乱れているが、リズムは保たれている
- 一時的な体動などが原因のノイズ

今のやつ!PVCじゃないの!?

そう見えるけど、たぶん動いたときのノイズかもですね。
② VF?VT?こわっ…って思ったらノイズだった!

- ギザギザ・不規則な波がずっと続く
- VFやVTのように見えてしまう

ギャー!これ絶対VTかVFだよ〜!!

慌てずに。まずは患者さんを確認しましょう。
歯磨き中など、一定のリズムで体が動くとVTみたいな波形になることがあります。
これは「歯磨きVT」と呼ばれ、VTの記事 でも紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
③ザワザワ波形の正体は…筋肉のふるえ!

- 全体がギザギザ波形で覆われる
- 高齢者の震えや、不穏時に起こりやすい
- VFに似ていて誤解しやすい

VFじゃないのこれ…もう自信ない〜

これは筋電図ノイズですね。VFとの見分けに慣れていきましょう。
④波形が急にプツッ!? それ、モニター外れかも

- 波形が途中で直線に
- 心停止に見えるが、モニターパッチが外れてるだけかも

え?波形止まったんだけど!?心停止?

コードやパッチが外れたときによくあるパターンです。落ち着いて確認を。
⑤現場でよく見る“ノイズあるある”って?
ここまで紹介した3つの特徴に加えて、実際の現場ではこんなパターンもよく見かけます。
- 突然出て、突然消える!
→ 体が動いた一瞬だけ出るので、波形が急に変わってすぐ戻ったらノイズの可能性あり。 - モニターパッチをつけ直すと消える
→ 電極の浮きやズレが原因なら、貼り直すだけで波形が元に戻ります。 - ぐちゃぐちゃしてて、波形が全然読めない
→ 不整脈ならP波やQRS波の形が見えることが多いですが、アーチファクトはそれすら分からないことも。

なんかぐちゃぐちゃしてて、どこがQRS波かわかんない〜!

そういうときこそ、“本当に心臓の波形なのか”を疑ってみましょう。
ノイズなのか不整脈なのか判断できないときはどうする?
心電図を見ていて、
「これ…ノイズ?それとも不整脈?」
と迷うとき、ありますよね。
そんなときに一番大事なのは…
“迷ったら、とにかく患者さんを見に行くこと!”
- 意識はある?
- 話せる?動いてる?
- モニターパッチはしっかりついてる?
たとえ波形が怖そうでも、患者さんが元気で異常がなければ、ノイズの可能性大。
逆に、患者さんがぐったりしていたり、反応がなければ、それは本当に危ない波形かもしれません。

わかんなくて、つい波形ばっか見ちゃうんだけど…

そんな時こそ、“波形よりもまず患者”。それが判断のいちばんのヒントですよ。
今回のまとめ
- ノイズは、心臓以外の原因で出る“偽の波形”!
- パッと見、不整脈と間違いやすいので注意
- VFやVTに見えるパターンもあるが、**慌てずに“まず患者さんを確認”**がいちばん大事!

ノイズって、ほんとびっくりさせてくる〜!でも、もうちょっと見分けられそう!

“波形よりもまず患者”を忘れずにいれば、きっと大丈夫ですよ。
今日のところはここまで!おつかれさまでした!
完璧じゃなくていいんです。ゆっくり覚えていきましょう!