初心者向け!心房細動

どんどん

こんにちは!

看護師歴12年目、現役循環器ナースのどんどんです。

このブログでは、心電図が苦手な看護師さん向けに、やさしく・わかりやすく解説しています!

今回は、洞調律の次によく出てくる波形で、現場でもかなりの頻度で見かける不整脈のひとつ 「心房細動(しんぼうさいどう)」 についてお話しします。

この記事では、大島一太先生の本『これならわかる心電図の読み方』を参考にして進めていくよ。


目次


エーエフちゃん

ねぇサイナスくん、心房細動って、どう見ればわかるの?

サイナスくんエーエフちゃん

ふむ、まずは見分け方からだね。

エーエフちゃん

あとさ、心房細動になると何が悪いの?

サイナスくん

それは心臓の動きや血流に影響するんだ。詳しくは後で説明するよ。

エーエフちゃん

じゃあさ、もしなったらどう対応すればいいの?

サイナスくん

よし、その3つの疑問に順番に答えていこう。まずは“どう見ればわかるのか”から始めようか。

心房細動を見つけるポイントはこの3つ

心房細動を判別するには、まずこの3つのポイントをチェック!

① P波が見えない!

→ QRSの前にあるはずの小さな山(P波)が消えています。

「なんか、前にちょんってあるやつが見えない…?」

と思ったら要注意!

② RR間隔がバラバラ!

→ リズムが不規則で、間隔がバラバラになっています。

“ずれてる”“揃ってない”という感覚を持てたら◎!

③ f波が見られることもある

→ 基線が**細かくプルプル震えているような“f波”**

が見えることがあります。

ただし、必ずしも見えるわけではないので、

①②がより重要です!

エーエフちゃん

ふむふむ…P波が見えなくて、RR間隔がバラバラ。で、たまにf波が見える…ってことね。

サイナスくん

そう。特に①と②がそろってたら、かなり心房細動の可能性が高い。

エーエフちゃん

なるほど…でも、P波って他の波形でも見えにくいときあるよね?

サイナスくん

確かに。だから“P波がない”だけで判断するんじゃなくて、“RR間隔がバラバラ”かどうかをセットで見るんだ。

エーエフちゃん

OK!じゃあP波とRR間隔はペアでチェックって覚えておくよ。

サイナスくん

その調子。あとは慣れてくると、“あ、なんかこのリズム落ち着かないな”って感覚でわかるようになる。

エーエフちゃん

へぇ〜…その“感覚”ってやつ、早く身につけたいな。

P波に見える“何か”があっても安心しないで!

心房細動なのに、**「あれ?P波っぽいのがあるような…?」**と思うこともあります。

でもそれ、実は**P波ではなくf波(細動波)**の一部かもしれません!

  • 心房細動では、心房が細かく震えているため、
     基線に小さな波やもやもやが見えることがあります。
  • 中には、P波みたいに見える大きめのf波が混じっていることも。

そんなときは、“P波っぽいから洞調律だ!”と早とちりせず、

**「RR間隔がバラバラじゃないか」「PQ間隔は毎回そろっているか」**も合わせて確認しましょう!

サイナスくん

見た目だけで決めつけると、見落としにつながりますよ!

“リズムの乱れ”にもちゃんと目を向けてくださいね。

心房細動はどのくらい多いの?

心房細動は、現場で洞調律の次に多く見られる波形です。

実際、2024年12月から2025年3月までのモニター波形の統計を取ると、

約20%前後が心房細動でした。

つまり、心房細動を読めるようになれば、

「波形が読めるようになった!」と感じられるチャンスがぐんと増えます。

心房細動になると何が悪いの?

① 血栓ができやすくなる

心房がプルプル震えるせいで、

**血液が滞り、血栓(血のかたまり)**

ができやすくなります。

② 血栓が飛んで重大な合併症に

  • 脳に飛べば → 脳梗塞
  • 肺に飛べば → 肺塞栓

命に関わるトラブルを引き起こす可能性があります。

③ 心臓のポンプ機能が下がる

心房がうまく働けず、心室に血液を送り出せないため、

全体として心臓の働きが約20%低下してしまうとも言われています。

ただ波形が乱れてるだけじゃありません。

心房細動になると、体の中で深刻なことが起き始めます。

エーエフちゃん

うわ…血栓って、あの血のかたまりのことだよね?それが脳とか肺に飛んじゃうなんて…怖すぎる…!

サイナスくん

そう。心房細動で一番怖いのは、その血栓が重大な合併症を引き起こすことなんだ。

エーエフちゃん

しかも心臓の働きも20%も下がるって…それ、ずっと続いたら大変じゃない?

サイナスくん

うん。症状が出ていなくても、放っておくと体への負担は確実に大きくなる。だから、早く見つけて対応することが大事なんだ。

エーエフちゃん

そっか…じゃあ、もし見つけたらすぐ報告しないとだね!

サイナスくん

その通り。心房細動は“見つけて終わり”じゃなくて、“見つけたら即対応”が鉄則だよ。

心房細動を見つけたらどうする?

① まず確認するのは「今までもAFだったかどうか」

  • 慢性的にAFがある方なら、慌てて対応する必要はありません。
     → そのままバイタルや症状を確認し、経過観察でOKなケースが多いです。
  • ただし、“今回が初めて”や“急に出現した”場合は要注意!
     → 血栓のリスクが上がるので、しっかり報告と対応が必要です。

② 症状の有無をチェック

  • 動悸、息苦しさ、胸の不快感がないか確認
  • バイタル(血圧・脈拍・SpO₂・意識)を測定

③ 医師に報告

  • 心電図の特徴(P波なし、RR不整など)
  • バイタルと症状の有無
  • 何か治療を始めるか確認

④ 治療の基本は「血栓を作らせないこと」

  • 抗凝固薬(ワーファリン、リクシアナなど)や
  • ヘパリンの点滴などが選ばれることが多いです。

状況によっては…

  • **「心拍数をゆっくりにする薬」**でリズムを落ち着かせたり、
  • **「元のリズムに戻す治療」**を行うこともあります。

モニターでAFらしき波形を見つけたら、

慌てず落ち着いて、上の図の流れで確認と報告をしていきましょう。

エーエフちゃん

ふむふむ…つまり、ずっとAFの人はそんなに慌てなくていいけど、初めてとか急に出た場合はすぐ報告ってことだね。

サイナスくん

そう。特に初発や急性発症は血栓のリスクが上がるから要注意だよ。

エーエフちゃん

症状の確認とバイタル測定も忘れずに…っと。で、その結果と波形の特徴を医師に報告する、と。

サイナスくん

うん、それでOK。あとは医師の指示で治療が始まることが多いけど、基本は“血栓を作らせないこと”が目的だ。

エーエフちゃん

抗凝固薬とかヘパリンだよね?あと心拍を落ち着かせる薬とか、元のリズムに戻す治療もあるって聞いたことある。

サイナスくん

その通り。状況に応じて選ばれるけど、何よりも大事なのは“気づいてすぐ対応する”ことだよ。

エーエフちゃん

了解!じゃあ次は、AFを見つけたときにパッと判断できるように練習だね。

今回のまとめ

  • 心房細動は洞調律の次に多く、全体の約20%
  • 見つけるポイントはこの3つ:
     ① P波がない
     ② RR間隔がバラバラ
     ③ f波が見えることもある(でも①②が大事)
  • 放っておくと…
     → 血栓 → 脳梗塞・肺梗塞のリスク
     → 心機能が低下して全身に影響が出ることも
  • 見つけたら:
     → 慢性か新規かを確認 → 症状&バイタル → 医師に報告
     → 基本は血栓予防の薬+必要に応じてリズム調整
エーエフちゃん

よし!AFの見つけ方と対応、覚えたよ!

サイナスくん

うん。“見つけたらすぐ動く”が一番大事だ。

エーエフちゃん

P波なし、RRバラバラ…見たら即報告だね。

サイナスくん

その通り。あとは慣れるだけだよ。

おわり


どんどん

今回はここまで!おつかれさまでした〜

完璧じゃなくていいんです。ゆっくり覚えていきましょう!

オススメ記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

ABOUT US
アバター画像
管理人どんどん
はじめまして、管理人のどんどんと言います。 看護師12年目の循環器ナースです。 心電図がわからない新人、中途採用、病棟異動できた看護師さんに心電図を指導していますが、病棟勤務のため対面では十分に教える時間が取れないことから、ブログという形で心電図の見方を伝えられたらと思い始めようと思いました。ブログは初めてなので、少しずつ改善していこうと思います。長い目で見て頂ければ、徐々に良くなっていくと思うのでよろしくお願いします。