心電図の勉強を始めると、きっとこんなことを思うんじゃないでしょうか?
- 波形が多すぎて、何から勉強すればいいのかわからない…
- 何個の波形を覚えれば、心電図を読めるようになるの?
- 結局、現場でよく見る波形ってどれなの?
私も最初は同じように思っていました。
「全部覚えるなんてムリでしょ…!」と何度も心が折れそうになったのを覚えています。
でも大丈夫です。
実は、よく出る波形ってある程度決まっているんです!
そこで今回は、“これだけ押さえておけば大丈夫!”という波形を20個に厳選し、
初心者でも無理なく覚えられるように3つのステップに分けてやさしく解説していきます!
目次
- まず覚えるべき20波形とは?
- STEP1:まずはこれだけ!現場でよく出る波形5選
- STEP2:命にかかわる!緊急波形3選
- STEP3:「場面別に」覚えておきたい12波形
- 今回のまとめ:まずは現場でよく見る波形から覚えよう!
まず覚えるべき20波形とは?
まずは、今回取り上げる20個の波形を一覧で見てみましょう!
覚えるべき20波形一覧
- 洞調律
- 心房細動
- 心房粗動
- PAC(心房性期外収縮)
- PVC(心室性期外収縮)
- ノイズ
- 心室頻拍(VT)
- 心室細動(VF)
- 心停止(Asystole)
- トルサード・ド・ポアン
- ST変化(ST上昇・下降)
- 洞不全症候群
- 1度房室ブロック
- 2度ブロック(ウェンケバッハ)
- 2度ブロック(モビッツ2型)
- 3度ブロック
- ペースメーカー波形
- ペースメーカー不全
- PSVT(発作性上室性頻拍)
- 房室結節調律

いや〜無理無理!“まずは20個!”ってさらっと言われたけど、これ教科書の目次じゃん〜!

そう思うよね。でもこの中の5個だけで95%はカバーできるんだ。まずはそこから、一緒にやっていこう!
「こんなに覚えられない〜!」って思うの、すごくわかります。
でも安心してください。この20個、ぜんぶ一気に覚える必要はありません。
覚える順番に沿って、3つのステップに分けてやさしく解説していきます。
STEP1:まずはこれだけ!現場でよく出る波形5選
- 洞調律
- 心房細動
- PAC(心房性期外収縮)
- PVC(心室性期外収縮)
- ノイズ(アーチファクト)
この5つは、モニター心電図で圧倒的によく見かける波形たちです。
特に1〜4の波形は、現場で見る波形の95%を占めるといってもいいほど頻出!
それだけに、「これって異常?」「報告したほうがいい?」といった判断のカギになります。
また「ノイズ」も意外と重要!見慣れていないと、「何これ…!?」と混乱しがちなので、最初に見分け方を知っておくと安心です。

波形ってめっちゃいっぱいあると思ってたけど、最初はこの5つだけでいいの!?それならできそうかも…!

うん、よく出る波形から覚えた方が、現場では確実に役立つよ。特に“洞調律”はすべての基準になるから、最優先で覚えよう!
STEP2:命にかかわる!緊急波形3選
- 心室頻拍(VT)
- 心室細動(VF)
- 心停止(Asystole)
この3つは、いわゆる**“緊急波形”**。
これらが出現したときは、すぐに対応が必要です。
ただ実際には、ノイズによって間違って表示されることも多いため、「これは本物かどうか」を落ち着いて見極める力が必要になります。
でも、判断に迷ったときはとにかく**“患者さんの様子を優先して確認”**が基本!

これって全部ヤバいやつじゃん!?…もし見つけたらパニックになりそう〜!

焦らないで。“波形”より“患者さん”を見る!それを忘れなければ、大丈夫ですよ。
STEP3:「場面別に」覚えておきたい12波形
(優先順位は人によって変わるので、4つのカテゴリに分類!)
ここからの波形は、一気に覚える必要はありません。
**「どんな場面で出会うか」**によって、覚える順番は人それぞれ。
以下の4つのカテゴリーに分けて、自分の現場や役割に合わせて、必要なものから覚えていきましょう!
【カテゴリー①】知っておくと安心!リズムがややこしい波形4選
- 心房粗動(AFL)
- 発作性上室性頻拍(PSVT)
- 房室結節調律(AV junctional rhythm)
- トルサード・ド・ポアン(Torsades de Pointes)
PACや心房細動が読めるようになってきたら、次はこのグループ!
一見して区別がつきにくいものもありますが、リズムの規則性やP波の有無を意識すると見分けやすくなります。

なんかどれも“それっぽい”んだけど…結局どれがどれなのか分からない〜

そういう波形こそ、**特徴を知っておくだけで見間違いを防げるよ。**安心して、順番に整理していこう!
【カテゴリー②】はじめての12誘導!異常を見逃さないポイント1選
- ST変化(ST上昇・下降)
12誘導心電図を使う場面では必須!
心筋梗塞などの急性冠症候群の兆候を見逃さないためにも、最低限の“STの上がり・下がり”は読めるようにしておきたいところです。

12誘導って…あのたくさん線つけるやつでしょ?めっちゃムズそうなんだけど…

全部覚えなくても、“STが上がってるか下がってるか”だけでも分かれば、十分役に立つよ!
【カテゴリー③】徐脈・失神の原因はこれかも?ブロック波形5選
- 洞不全症候群
- 1度房室ブロック
- 2度房室ブロック(ウェンケバッハ)
- 2度房室ブロック(モビッツ2型)
- 3度房室ブロック
脈が遅くなっていたり、失神の原因を考えるときに重要な波形たち。
ブロックの種類によって緊急度や対応が変わるので、しっかり分類を理解することが大切です。

わたし、心電図向いてないかも…。なんか覚えれば覚えるほど混乱してきたよ〜

そんなことないよ!少しずつ分かっていく過程がすごく大事なんだ。ここであきらめずに一緒に進もう!
【カテゴリー④】はじめてのペースメーカー!これだけは覚えたいポイント2選
- ペースメーカー波形
- ペースメーカー不全
ペースメーカーの患者さんを安全にケアするために。
ペースメーカー波形の“正常”と“異常”の違いを理解することで、患者さんの異変にいち早く気づけるようになります。
波形の基本的な見方を覚えて、落ち着いて判断できるようになりましょう。

今日、はじめてペースメーカーの患者さん受け持つんだけど…ちゃんと作動してるか判断できなかったらどうしようって、不安でいっぱい…

その気持ちがあれば大丈夫。判断に迷ったら、周りに相談していいし、まずは“気づける目”を育てていけばいいよ。
今回のまとめ:まずは現場でよく見る波形から覚えよう!
- 全部で20個あるけど、いきなり全部は覚えなくてOK!
- よく出る波形(STEP1)と、命に関わる波形(STEP2)を最優先に!
- あとは自分の配属や経験に合わせて、STEP3から少しずつ覚えていこう!
焦らなくて大丈夫。1つずつ、一緒に進んでいきましょう。

なんか少しだけ、心電図が味方になってきた気がする〜!

うんうん、その調子!“わかるかも”が増えれば、それが一番の成長だよ。
今回はここまで!おつかれさまでした〜
完璧じゃなくていいんです。ゆっくり覚えていきましょう!
こんにちは!
循環器ナース歴9年目、看護師歴12年目のどんどんです!
この記事は、病棟で働く“心電図が苦手な看護師さん”向けに書いています。
今回は、現場で役立つ20波形について取り上げます!