はじめてのペーシング不全

最初は誰でもそう思うよ。

ペーシング不全って少し独特だから、慣れるまでは難しく感じるんだ。

でもね、“これだけ見ればOK”っていう基本のポイントを押さえておけば大丈夫だよ。

うん！

今日はその見つけ方を、一緒に整理していこう！

うんうん、その気持ちすごくわかるよ。

“ペーシング不全”っていうのは簡単に言うと、

ペースメーカーがちゃんと働いていない状態のことなんだ。

ペースメーカーは、心臓の動きをチェックして、

“自分の脈（自脈）が出てるかどうか”を常に見てるんだ。

もし自脈がちゃんと出てたら、ペースメーカーはお休み。

でも、脈が設定より少ないと、

“動け！”って電気信号を送って心臓を動かすんだよ。

そうそう。

でもね、設定された脈拍よりも自脈が少ないのにペースメーカーが動かなかったり、

ペースメーカーが動いているのに心臓が反応しなかったり、

逆に自分の脈拍がちゃんと出てるのにペースメーカーが動いてしまったりすると、

それは、ペースメーカーがうまく働いていない状態——つまり“ペーシング不全”なんだ。

そうなんだ。

だから波形を見て、“ペースメーカーが必要なときにちゃんと働いてるか？”

“いらないときに動いてないか？”

そこを観察するのがポイントなんだよ。

実はね、現場で見るペーシング不全のほとんどは、

「本来ペースメーカーが動くはずなのに動かない」、

または「動いても心臓が反応しない」というタイプなんだ。

いいところに気づいたね。

まず、“動かない”というのはペースメーカーが電気を出していない状態。

スパイク（ペースメーカーのサイン）が出ていないから、

設定よりも脈が遅くなったり、脈が止まる“ポーズ”が出たりするんだ。

そうそう。

一方で“動いても反応しない”というのは、

ペースメーカーが電気を出しているのに、心臓がその刺激に反応していない状態。

スパイクは出ているのに、QRS波が出てこないときはこのタイプの可能性が高いんだ。

そうなんだ。

だから観察するときは、スパイクが出てるかどうか”だけじゃなくて、

そのあとに“QRS波が出ているか”も確認するのがすごく大事なんだ。

その通り！

そして、どちらの場合も共通して言えるのは、

“脈拍が設定よりも遅くなっている”ってこと。

これがペーシング不全を疑うときの最大のサインなんだ。

“1〜2回くらい低い”だけなら、すぐに異常とは言えないんだ。

ペースメーカーと自分の脈（自脈）のタイミングで、

一時的に脈拍が少しズレることがあるんだよ。

目安としてはね、設定より5〜10回以上低い場合や、

波形の中に“ポーズ（脈が一時的に途切れる時間）”が見られるときは要注意！

そのときはペースメーカーがちゃんと働いていない可能性が高いんだ。

いいところに気づいたね！

本来なら“自脈が出る → ペーシングを調整する”というのが正常なんだ。

でも、異常時はペースメーカーがその自脈に気づかず、

“すでに心臓が動いているのに刺激を出してしまう”ことがあるんだよ。

そうなんだ。

実は自脈とペースメーカー波形の刺激のタイミング次第で、

“R on T”といって心臓の回復途中に電気が加わることがある。

それが致死性の不整脈を起こすきっかけになることもあるんだ。

その通り！

自脈が出ているのに、

ペーシングがちゃんと調整されていない波形が頻回に出るようなら、

“ペースメーカーが心臓の動きをうまく感知できていない”可能性がある。

そういうときは迷わず報告しよう！

まず大事なのは、“迷ったらすぐ報告”だよ。

ここで話した“ペーシング不全”っていうのは、

専門的には“アンダーセンシング”とか“オーバーセンシング”って呼ばれるんだけど、

どっちがどっちだったっけ？って迷ってる時間がもったいないんだ。

だから、難しい言葉を思い出すよりも、

“ペースメーカーがうまく働いていません”

つまり“ペーシング不全が起きています”って伝えるだけで十分だよ。

その通り！

ただし、報告する前にいくつか確認しておくポイントもあるんだ。

たとえば、体外式ペースメーカーを使っている場合は、

電池切れやリードの接続不良がないかをチェックしておこう。

それに加えて、患者さんの意識・脈拍・血圧など、

全身状態の変化も一緒に確認して報告するといいよ。

そうそう。

ペースメーカーのトラブルは“早く見つけて、早く報告”が命を守る第一歩なんだ。

ペーシング不全っていうのはね、

簡単に言うと “ペースメーカーがうまく働いていない状態” のことなんだ。

現場でよく見るトラブルを、3つのパターンに分けて整理してみよう！